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予防法務とは?

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紅谷行政書士事務所が考える、予防法務の重要性-

予防法務という考え方

予防法務(よぼうほうむ)という言葉は、あまり聞きなれない方も少なくないと思いますが、それでも最近ではネット上でも解説がなされ、士業の方々の間でも使われることが多くなってきました。

私が予防法務という考え方に出会ったのは、かれこれ20年も前のことで、その時からその重要性を説いてきたつもりではありますが、まだまだ発展途上の言葉だと考えています。

そもそも、予防法務とは、契約の当事者間などで後に法的な紛争が生じないように事前に法的措置をとることをいいます。

誰でも裁判沙汰にかかわりたくないと考あえるでしょうが、そのための事前準備をしている方は少ないのではないでしょうか?
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医療に例えると

予防法務は、医療に例えるとわかりやすいと思います。

つまり、「ガンになってしまいました。⇒もう手遅れかもしれません。⇒何とか手術で問題の箇所を取り除き延命を図りましょう。」という流れになる前 に、いかにガンにならないようにするか、ガンになりそうな原因を事前に摘み取っておくか、ということが肝要です。それは、ガンにならないようにするための 食事、ガンになるような行動(例えば喫煙)をやめるということを事前に考え、実行していくことが有効でしょう。

法務についても、同じことが言えます。

つまり、「トラブルになってしまいました。⇒もう手遅れかもしれません。⇒何とか訴訟(裁判)で問題の解決を図りましょう。」という流れになる前に、いかにトラブルにならないようにするか、裁判沙汰になりそうな原因を事前に摘み取っておくかということが肝要なのです。
紛争を未然に防ぐということは、いらぬ心配や無駄なストレスを回避することに繋がるわけで、それは、人がいつも明るく笑顔で楽しく幸せに暮らすための知恵だと思います。

虫歯になりたくないなら、甘いものは食べなさんな。私たち日常生活でトラブルに巻き込まれたくないなら、人と会いなさんな。」それはひとつの考え 方でしょうが、でもそれはなかなかに難しい・・・。だって、美味しい甘いものを食べると幸せな気分に浸れますでしょう。人との出逢いがあり、人との交わり があってこそ、人生が豊かになり、生きる醍醐味も生まれるわけですから。

だから、甘いものは食べるけど、食後にきちんと歯磨きをする。

だから、人とは交わるけど、その後にきちんとトラブルにならないように取り決めをしておくわけです。
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トラブルの原因

それはわかってはいるけれど、きちんと手を打ったにもかかわらず、虫歯になる。トラブルになる。

なぜでしょう?

それはきちんと磨けてないから。トラブルの原因がきれいに取り除けてなかったからです。

では、きちんときれいに磨く、きちんと正しい方法でトラブル原因の取り除く、とはどういうことか?私が考える方法をお話いたします。
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相続の場合

例えば、相続。

大切な方が天国に召された時から、相続は始まります。

しばらくしたある日、突然『私には、少なくとも○○円もらえる権利がある。』といった内容の内容証明郵便が兄弟の一人から届いたとします。

もらったほうはどんな気分でしょうか?

『私は円満に皆が納得する形で分ければいいと思っていたのに、こんな形で宣戦布告されたら、こちらだって取られ損にならないように訴訟も視野に入れて戦うぞ・・・。』となってしまうやもしれません。

だから、こんなトラブルにならないように、事前にトラブルになる原因を摘んでおく。誰もが円満に皆が納得する解決を目指し、1人勝ちを許さないよう に皆が譲り合って平等に分ける道を模索すべきです。ましてやいきなり内容証明を送りつけるようなことは予防法務の観点からは避けるべきでしょう。

ある兄弟姉妹の例で言えば、兄曰く、『みんな平等に分ければもめる事は無い。弟や妹から俺は信頼されているから、俺の言うとおりに従うはずだ・・・。』と。

しかし、弟は『兄はずっと親に眼をかけてもらって大学の費用だって出してもらっている。均等割りなど不公平だ・・・』と思っているが言い出せない。妹は『兄達が仲良くやってもらえばそれでいい。そのためなら私は相続を辞退しても構わない・・・。』と言っている。

兄から依頼を受けた執行人は、兄が言うがまま相続財産を均等割して解決といい、面倒な銀行手続きなどを処理して、報酬をもらっていくこともあるで しょう。でも、弟の不満を兄の権威でねじ伏せたままの分割は、遺恨となり、その時は治まってもその不満は燻ぶり続け、いずれ兄が亡くなったときの相続で爆 発いたします。妹は、潔く辞退したとしても、自分が引いたという恩のような思いが心のどこかにあるでしょうから、兄と弟とが上手くいかないことがひとたび 起これば、『自分の相続辞退はなんだったのか?犬死では・・・』そんなところに、自分の息子や旦那から『なんで辞退などしたのか?全くお人よしにも程があ る。』などと責められて、後悔したりしながら、遺恨になってしまう。
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予防法務の観点から

予防法務の観点からは、やはりきちんと調査をすること、そして当事者のもとに馳せ参じ、当事者の目を見て直接語りかけ、耳を傾け本音の部分をトコト ン聞き出して、それぞれの妥協点を模索し、納得行くまで話し合いのコーディネートをすることだと思います。その際、決して分け前ゼロの人を出さない。たと え本人がゼロで構わないといっていても、まずはきちんと受け取って頂き、誰かが損をしたり、恩を着せた形で我慢させたりといった状態を除去することを目指 します。それゆえ、時に報酬を頂く依頼者にも泣いてもらうこともありましょう。

それでもそれが最終的な親族皆さんの笑顔のためなら、その時は損と感じても、3回忌、7回忌、13回忌・・・と親戚との集まりを重ねた後に『やっぱ りあれでよかったのかな。紅谷のアドバイスに従って折れてよかったな。』と思っていただける日が来るなら、文句や罵声は遺族の身代わりに受けてもいいと私 は考えております。
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遺言こそ予防法務の最前線

しかし、そもそもそのようなトラブルになる相続(争族)にしないために、最も有効な手段なのは、遺言です。

遺言こそ予防法務の最前線。だから当事務所でも遺言業務は特に力を注いでいる主力業務です。

では遺言さえ書けば全て万全でしょうか?
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予防法務の観点の遺言

例えば、依頼者が、『全財産を次男にあげたい。逆に長男は、十分施したつもりだし、最近は嫁とつるんで私をないがしろにしていてそりが合わないから、長男には一銭たりとも残したくない。』といって、そういう遺言を書きたいと頼まれたとします。

それをそのまま鵜呑みにして、その通りに長男には一銭も残さない内容の遺言を作成し公正証書にして、それで報酬をもらう士業の方も少なくないと聞きます。『依頼者のために依頼者の最も望むことを実現してあげるのが士業の役目だ。』といわんばかりに。

しかし、予防法務の観点で遺言を位置づけるならば、その遺言書は、後の紛争やトラブルを未然に防止するものでなければ意味がありません。ましてや、その遺言書があったばかりにそれがトラブルの素となるのでは、そんな遺言は書かない方がましだと考えます。

ご存知の方も多いと思いますが、相続人には、遺留分という権利があり、最低限の相続財産を受け取ることが出来ます。(先ほどの相続の例でも内容証明郵便で宣戦布告した根拠は遺留分減殺請求ということが多いです。)

だから、いくら長男に一銭たりともあげないと考えても、その思いは、依頼者の死後、長男自身が、次男のもらいすぎを指摘して覆しにかかることだって あるわけです。長男曰く、『確かに晩年は嫁とのことで多少行き違いがあったかもしれないが、オレは今まで世話になった分、老後の面倒は十分見てきた自負が ある。それなのに何の介護の援助もしない弟が全部財産を総取りするのは納得がいかない。』と思うでしょう。その不満をぶつける相手である依頼者は既にこの 世に居らず、その不満は『きっと次男がそそのかしたに違いない。』という疑心暗鬼を生み、次男は、要らぬ中傷を受ける羽目になりかねないわけです。

予防法務の観点で遺言書を作成するなら、それは現時点で完璧なもので無ければなりません。だから、後に紛争の種を仕込んでおくくらいなら、はじめから遺留分相当額の財産は、長男にも残す工夫が必要なのです。

せっかく愛する次男のために財産を残してあげたいと思うなら、その愛する次男が後に誹謗中傷されるハメに陥れるような一方通行な置き土産を残すことこそ、ありがた迷惑ということになるかもしれません。

どうせ遺言を書くなら、残された遺族の方全員が明るく笑顔で依頼者に感謝しつつ、3回忌、7回忌・・・と集える環境を残してあげることこそが大切なのではないでしょうか?
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障がいを抱えた子と兄弟

依頼者が、財産を残したいと望む、その先の本当の願いをしっかりと受け止めることこそ、私は士業の役目だと考えます。
同じようなことは、障がいを抱えたお子さんをお持ちのご家族でも言えることで、障害を抱えた子の将来を心配するからこそ、財産はできるだけその子に残したいと考えるのは当然のことです。

でも、その障がいを抱えたお子さんとより長く人生を支えあっていくのは、ご兄弟(姉妹)ですから、たとえ、ご兄弟がその子のために『私は相続を辞退 する。』と言っても、やはり後のトラブルを防止し、後々の憂いを残さないために、きちんと相応の財産を障がい者のご兄弟にも遺言で残してあげるべきだと私 は考えます。
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遺言執行人

予防法務の観点で遺言書を作成する場合、もう一つ注意すべき点は、遺言原案作成者が、遺言の中できちんと自らが遺言執行人として名を連ねることです。

依頼者の望むことを実現するのが役目とばかりに、長男ゼロの遺言の原案を作成する方のほとんどは、自ら遺言執行人にはならないでしょう。『依頼者で ある貴方が亡くなった後は、執行者はしかるべき者を残された相続人の方々で選任するでしょうから、大丈夫でしょう。』という具合に。

でも、原案作成者自らが遺言執行人に名を連ね、自らが依頼者の死後も責任を持って遺産の分割を執り行う覚悟があれば、後にトラブルとなるような遺言 は書かせるはずが無いわけです。そのトラブルに巻き込まれ収拾の負い目を負わされるのは自分になるのですから、遺言執行者になるべき人は、その遺言が紛争 を未然に防ぎうる完璧な内容かについて、吟味に吟味を重ねるわけです。

遺言は安く上げればそれでいいというものではなく、いかに予防法務の観点から優れた遺言を残すかが重要だということがわかっていただけたのではないでしょうか?
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遺言を書く意味

完璧な遺言というと、なかなか手を進められないという風になりがちですが、要は目先の財産分配だけに目を奪われずに、その後の遺族の行く末までも広く視野に入れて、本当に皆が笑顔で明るく幸せに過ごせるように真剣に愛情を注いで考えてあげることだけなのだと思うのです。

『私にはトラブルを残すようなほどの財産は無いし、子供たちは皆良い子なのだから、遺言など残す必要は無い。』とお考えの方。
相続でもめるパターンの典型が、そういった方が遺言を残してくれなかったがために、わずかばかりの財産のために、遺族が面倒に巻き込まれている現実をご存知ですか?

『私はまだまだ若いから遺言を書くほどの年齢ではない。』とお考えの方。

遺言は、残される遺族の将来を考えることをきっかけに自分自身の人生を見つめなおす行為です。一度書いたらそれを後生大事に取っておくものではなく、その都度その都度書き直すものです。

私は40歳を期に既に遺言を書きました。5年ごとに見直し、10年ごとに書き換える予定です。

遺言を書くと、後の憂いがなくなって長生きできることが多く、ご自身の健康のためにも予防法務は役立つということを是非この機会にお考えいただければ幸いです。
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予防法務の視点と人生の幸せ感

予防法務を説明するのに相続遺言を例にお話をいたしましたが、会社の設立でも離婚協議でも、予防法務の視点を持つ、持たない、で人生の幸せ感には差が出ると確信しております。

私は、予防法務の重要性をより多くの方々に認識していただき、皆さんがハッピーで笑顔溢れる人生を歩めるお手伝いを純粋に追及したくて、紛争性ある事件の交渉解決を守備範囲に持たない行政書士という職業に敢えて就きました。

だから、『自分だけ幸せになればいい。』『相手を打ち負かしてでも財産をふんだくりたい。』『オレの財産なのだからどうしようが俺の勝手。』という 方のご依頼は、応じかねます。その代わり、提携する数人の弁護士の中から、ニーズに合った優秀な弁護士を吟味選択したうえでご紹介し、業務承継させていた だいております。

予防法務の趣旨とその重要性をご理解いただき、『なるほどね・・・。』と賛同いただける方のご相談、ご依頼を心よりお待ちし申し上げております。

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